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小春亭

RPGのプレイレポートとか。最近はDX3考察が中心です。

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第六話「淡く明るい赤き月


○ちょっとしみじみと


さて、この第六話から第八話の三話が「婀娜花姫編」です。
前中後編という、三話連続構成。
これだけの大きな話を考え、実施し、そして成功した(と信じたい)物語は、15年に渡るこはるのTRPG経験の中で、初めてのことでした。
それだけに、この連作は、とても思い入れのある物語となっています。

そんなわけで、この回、ちょっと長いです。
最後までお付き合いいただければ幸いです。

○当初の想定と企画段階からの話

まず大きな話をやりたい、という大前提から企画が始まりました。

永く続いた物語。それを結末まで導くための、大きな山場を作りたかった、というのが形式的な建前で。
正直に言えば、大きな話が出来るほど永く続いたセッションって、結構貴重なんですよ。
そういうわけで、兎角、その機会を逃したくなかった!という、とても単純に、こはるの欲なんです。

なので普段出来ないことを、全部入れてやろう、と考えたはいいんですが。
・絶対の存在である「大ボス」を作り、使いたい!

結局、これだけでしたね、最初に思いついたのは。
そこからただひたすらに大風呂敷広げて、TRPGの常「想定と違う方向へPCが向っていくジレンマ」「それへの対策という名のアドリブ」を組み合わせて、あんな物語になったわけで。

そんなわけで、そのあたりをつらつらと書いて行こうと思います


○大ボスのアイデア

勿論考えねばいけないのは、大ボスのことなんですが。
この段階では、より正確にいえば次回のシナリオを考えるまで、は、「種族は猫」で「女王」という二つの要素だけしか考えてませんでした。
第六話の段階では、名前さえも未定だったんですね。

まず何故、猫なのか、ということですが。
これは、PCに猫が二人(二匹?)いたから、というのが理由です。

ゆうやけこやけ、というシステムを使って遊んではいますが、本来こはるはファンタジーを中心にTRPGを遊んできた人間です。
大ボス、といえば。
そりゃ戦闘しないと嘘だろ、という頭がありました。
そしてPCになると高確率でシーフ(盗賊)系を選ぶこはるの好むもの、つまるところ「裏の読みあい」というゲームをしたかった、という考えがございまして。
ボスが猫ということは。
・自分達に出来ることとボスに出来ることは同じ
ということです。

つまり、相手が何をするか、ということを考えるとき、自分達ならこうする、という思考が、そのまま判断の指針になるわけです。
そういうロジカルな某を用意したかったというお話。

もう一つの「女王」という要素。
これは取りも直さず、髪長姫への嫉妬心と対抗意識ですねw

すでに髪長姫、という存在は、揺らぐことなく「最大の存在」でした。
つまり、髪長姫を越えることなくして、大ボスなどという存在には成りえない、ということです。

そこで先ずは、髪長姫を、より強力な、「絶対の存在」へと押し上げることから始めました。
今の段階でも十分強力な存在として認識はされているんでしょうが、
このように「おそらく絶対にそうなんだと思うけど、断言されたことはないからなー、でも間違いないだろうなー」という曖昧な前提を明確な形にしておくことは、特に会話のみで認識を共有しあうTRPGにおいては、とても重要なポイントです

さてそのために必要なのは、部下の存在です。
ここで町を守る七柱の土地神がいる、という設定を思いつきました。
七、という数字を選んだのは、カバラ的な神秘的かつ絶対的な数字、というわけでもあるんですが、もっと日本的に、六や八は縁起が悪く、七は喜ぶに通じ縁起が良い、という理由からです。

まずは公式NPCである、髪長姫呉公姫十輪御前、そして長老亀を引っ張り出してくるも、まだ足りない。
そこで5.5話にあたる外伝で登場した、うっちーの生み出した翁というカラスの爺様、そして前回ちらっと登場するだけで終わるはずだった狸の里の長、タチさまらに再びの登場を願いました。
このとき、タチさま、なんぞという悪ノリだけで付けた名前に散々悩まされ、さすがにこれはまずかろうと、色々こねくり上げた結果、崑崙大帝などという「いや誰やねん」的な名前を付けてしまいました。
ちなみにタチさま、という名前は、ミカドが長に向って「タチ悪ぃ」なんぞと口走ったのが元だったと記憶しています。

そして最後に一柱足りない、ということで、深古導師、という三本足の蛙の神様を作り出しました。
これは青蛙(せいあ)って霊獣が元でして、第二話のイベントでもチラッと使ったんですけど、正直小さいイベントの要員だったんで、もう少し重要なポジションに欲しいな、とか思ったからです。


なお、この流れの中に深鈴を入れていないのは、後に至る伏線の為です。
そしてここまで周到に髪長姫を持ち上げておいて、より強力な存在がいるという事実。
インパクトとしては十分でしょう


○猫と犬

さてボスのイメージが膨らんだところで、次は「何故そんなボスが出てきて、また相対することになるのか」という、事件を作る作業に入ります。
猫の女王、ということで、「猫神やおよろず/FLIPFLOPs」を読みながら、「記憶」をテーマに盛り込もうと決めました。


4253233619.09.LZZZZZZZ.jpg
 
 東方系同人誌の頃から追いかけてる漫画家さん。
 妖怪モノ+美少女、という
 とても「ゆうこや」っぽい雰囲気の作風は、
 最後までいいイメージソースになってくれました。







まあ先に書いとくんですが、最終的にシナリオが出来上がって、今回予告を書き上げた後になって、猫神やおよろずアニメ化!などというニュースが踊りまして、なんて時期の悪いwなどという気分になってことを覚えています。

閑話休題。

さておき、記憶をテーマに取り入れるということで、思いついたのが「過去に君臨していた絶対の存在」というボスのイメージです。
それを思いついたとき、老犬を使うという発想に行き着きました。
呆け老犬リュウ誕生の瞬間ですね。

当初の想定では、このリュウ、猫の女王の配下であった犬の変化の末裔、という設定でした。
復活を目論む猫の女王の思念に導かれ、その役目を果たす。そういうカッコイイキャラだったんです。
ええ、当初の想定では。

結果は、まあ、皆様の記憶のとおりでございますw

あとこれはリュウが残念なキャラになってしまったせいで(笑)表に出なかったんですが、
実は昔リュウは、大波家で飼われていた、という裏設定がありました。

セッカの持っていた「おもいだして」の能力への対策、というのが最初の想定ですが、
「記憶」というテーマへの盛り込みも意図しておりました。
まあ、話の流れがそう傾いたら、こういう流れに持っていこう、程度に朧気に考えていた程度の設定だったので、あまり深く考えていたわけではないんですが。
要ちゃんがリュウを「追いかけたい」なんぞと口走り、しっかり後を追いかけた裏には、こういう設定があったからなんですね。決して不思議ちゃんだったからなどというわけでh(ry

繰り返しますが、この回でリュウのロールプレイを少々トチったために、次回以降のリュウの出番がなくなったので(一応、第七話のシナリオにはリュウと出会う可能性も用意してたんですが)この設定は完全に闇に葬られ、リュウはただの呆け老犬として、その後一切、物語に絡むことなく消えていきました。
きっと今日もどこかの町をさまよっていることでしょう。


○はとこ騒動と赤メノウと赤ん坊

回顧録4でも書きましたが、縁とジルがはとこにあたる、と気付いたのもこの回です。
これでジルを出すいい言い訳が出来た、などとニヤニヤできたので、そのノリであんな今回予告が出来上がったわけです。いやあ楽しかった。

シナリオには書いてますが、この第六話の〆は、ジルの予定でした。
そうです。ジルがラスボスの化身として顕現する予定だったりしたんです。
あっはっはっは。
どれだけジルというキャラが気に入っていたのか、よくわかるシナリオですね。

まあ、みんながジルを連れて歩いてくれなかったんで、このオチは割りと早くボツになったんですが
よもやこの美味しい役目をミカドに奪われるなんて!ですよ。
だってミカドしか石に触らなかったんですもの。

あの時点で、ああ、お役ごめんになったジルの代わりは、ミカドにやってもらうか…って思考にシフトですよ。もうね、「赤メノウにはもう誰も触らないでくれ」って心の底で願っておりました。

どう考えても、こっちのほうが面白くなりそうなんですもの。
そして願った通りに物語が最後にたどり着いたときは、我が意を得たり、という感じでしたね。
容赦なく、ミカドには意識不明に陥っていただいました

話題に出たんでついでなんですが、赤メノウについて。
これは、こういう「石」を出すってなると、まっくがいる時点で、釈迦に説法になるだろうなーと思っていたので、それを逆手にとって用意したネタです。
要するに「勝手に深読みするだろう」というw
そうさせてる中で、本来の意図、つまり猫の女王の思念を宿す石、という設定を隠していったわけです。
勿論、愛情や絆、安らぎを象徴するこの石を選んだ理由として、病気がちで友達のいない要というキャラ、に絡める予定はありました。
その一方であわよくばの第二弾。
即ち、ジルの代わりに要ちゃんでも面白いかなーとかそういう妄想も云々。

さておき。

んで最後に、事件の出だしのインパクト、ということで、赤ん坊を用意したんですが。
これは半ばノリですね。
こんな出だしだったら面白いかなーという程度で。

要するにこの段階では「赤ん坊=髪長姫」という図式は出来上がっておりません
そのあたりについては、第七話のシナリオにも書いてますね。選択肢の一つとしては考えていましたので、「=(イコール)」ではなく「≒(ニアリーイコール)」ならばそのとおりですが。

この回は髪長姫におやすみをしていただきました理由の一つでもありますね。
他にも「髪長姫がどれだけ大きな存在であったか実感してもらう」「髪長姫に頼らず物語をすすめて欲しい」「せっかく用意した七柱の土地神に絡んでもらいたい」とか、そういう理由もありました。

まあ全部ひっくるめていってしまえば、
使えそうな伏線はとにかくばら撒いて、あとで使える分だけ回収すればいいんじゃ。
という、TRPGの鉄則に従っただけのことですw

もうちょっと綺麗に言えば「セッション単位ではなく、キャンペーン単位で、起こった出来事に対応する」といったところですか。

キャンペーンシナリオなんだから、多少の矛盾はあとでいくらでも修正が可能だということですね

○そんなわけで長くなってきたので

このあたりで閉じることにしましょう。
物語の想定と実際のプレイで起こったズレについては、それぞれの項目で既に書いてますし。

読んでのとおり、いろいろ設定があっち行っちゃこっち行って、になってるのはいつものこと。
連作シナリオのときは、設定なんてこの程度の用意で十分ってことです。
つーかむしろがっちり決めておかないほうが、善後策考える段階で効率が良かったり。

開き直ってるように聞こえるかもしれませんが、これは「物語を、より皆で面白いと共感してもらう為」という前提でのお話です。
すべての設定を予定通りにすすめたいなら小説を書けばいいだけですし。
物語を想像するのではなく、生成する。
それがTRPGの面白いところだと云々マジメに書き連ねて、次回に続くー。

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1984/06/27
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武装神姫とTRPG

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